製品及びサービス
創薬支援
ハイスループットスクリーニング(HTS)から始まる新薬探しは高効率の化合物の選別方法の組み合わせで競争力を持つことになります。Compound library→Seed→Lead→Drug candidate→Drug
という創薬フローのなかで、Seedsを見つける、“Hit Finding”のプロセスはHTSの発達によって効率化を達成してきました。そして、HTSの発達と同時に次の課題が見えてきました。それは、HTSの合格確率が0.01〜0.1%で あったときに巨大なライブラリから得られる依然として多い合格検体の選別という問題です。しかも、その合格検体の活性は50%有効量(D50)として10-5〜-6 M程度であることが多く、特異性も高いものではない のが普通です。また、どのような試験系にも偽陽性が含まれますが、これを除去するためには異なる評価方法を使うことが単純かつ有効です。リプロセルでは、低活性から高活性の化合物を評価でき、試験間でバラツキの少ない均一な細胞を提供することで、post-HTSである、“Hit to Lead”および“Lead to Candidate”に用いることのできる細胞を提供します。 すなわち、Seed化合物を活性や特異性を改善してLead化合物に育成するためには、
(1)弱い活性の化合物を
(2)微量で
(3)短時間で
評価できることが必要です。また、HTSは一定の割合で偽陽性化合物を含んでいますので、
a. HTSや前期試験ではふるい落とせなかった偽陽性をふるい落とし
b. 動物試験では試験できない10-5〜-6Mといった低活性低特異性化合物でも試験し、動物試験との相関性をHTS方法論よりも有する
細胞を作出したいというご希望にご協力いたします。
ES細胞・ES細胞由来機能細胞
心筋細胞
細胞機能性試験と呼ばれる細胞単位の効率のよい化合物評価方法は、創薬初期において頻用されています。特に通常用いられるような細胞株やそれに遺伝子改変を施した組換え細胞は、日常的に用いられています。しかし、現在使用されている組換え細胞の殆どはがん化した(正常細胞ではない)細胞株に目的遺伝子を過剰発現させているという特徴も併せ持っています。そのため、正常細胞に近い初代培養細胞を用いて薬効評価系を構築し、薬剤応答を評価することも平行して行われています。ただし、初代培養細胞は一部の細胞を除いて、大量安定供給には向いていないという短所もあります。
正常細胞であり大量供給可能な細胞はどのような細胞でしょうか?それが、ES細胞です。ES細胞は理論的には生体を構成するあらゆる細胞に分化するので、次世代の創薬スクリーニングのための細胞として注目されています。
サルES細胞を心筋に分化させ図1Aのように電極ディッシュ上に配置しマルチチャンネルシステムズ社(日本代理店:バイオリサーチセンター)のMEA60システムあるいはQT96システム(図2A)で計測します。計測結果は図1Bのように得ることができます。
HTS用のQT96システムの特殊96ウェルプレート(図3A)は、各ウェルの底に記録電極と参照電極が組み込まれています(図3B)。心筋分化したES細胞(あるいは初代培養細胞など)をウェルに分注し培養すると拍動を開始し、心筋がウェルの底に密着するので高いシグナルレベルの自発拍動電位の記録が行えます。これまでも平底の電極プレートは存在しましたが、この新開発のプレートでは、細胞を簡単・確実に記録電極に接触させられる形状としました。プレートはディスポーザブルであり、ランニングコストを考慮して電極部以外は安価な樹脂の成形タイプとしました。この96ウェルタイプに加え、今後は384ウェル、1536ウェルへの対応も検討中です。
サルES細胞から分化させた心筋細胞の細胞外電位を本システムで測定すると、図1Aや図4Aのようなシグナルを継続的に取得できます。さらに薬剤を添加することで図4Bのような波形を取得することができます。この変化はDMSOのみの添加では認められません。
リプロセルでは、本試験法を用いた受託試験や自社導入へのサポートだけでなく、受託あるいは自社導入前に本試験法に興味を持つ製薬会社などと個別に契約し、会社ごとのフィージビリティ試験、あるいはプロトコール作りを半年程度実施するプログラムも常時用意しています(問合せはservice@reprocell.com)。このようなプロセスを経て、今後、多くの製薬会社に使用され、数多くの知見と経験を積み重ねることで、本法がよりよい方法になっていくものと考えています。

図1. MEA60ディッシュ電極上に配置されたサルES細胞から分化された拍動心筋様細胞
図1.A MEA60ディッシュ電極上に配置されたサルES細胞から分化された拍動心筋様細胞(動画)
図2. QT96システム外観(A)および電極プレートステージ(B)
マルチチャンネルシステムズ社およびバイオリサーチセンター提供
図 3. QT96システムの特殊96ウェルプレート
A:プレート外観 B:ウェル拡大図 C:電極拡大図 C-1:記録電極 C-2:参照電極 C-3:細胞
図4. サルES細胞から分化した心筋様拍動細胞から得られたAPDチャートのスナップショット
A:DMSOのみ, B: 10 nM E4031, C:30 nM E4031, D: 100 nM E4031.▼:T波 相当部分



